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AIが自動でアンケートを分析!無料で使えるおすすめサービスまとめ
アンケートの自由記述回答の分析に時間を取られていませんか?数百件、数千件の回答を一つひとつ読んで分類する作業は、担当者にとって大きな負担です。
無料で使えるAIツールを活用すれば、数日かかっていた作業が数分で完了します。本記事では、目的別に無料ツールの選び方から実践的な活用方法まで、徹底解説します。読み終われば、あなたの用途に最適なツールを選べるようになります。
AIアンケート分析とは?無料で何ができるのか
AIアンケート分析は、人工知能を使ってアンケートデータから有益な情報を自動で取り出すツールです。従来は担当者が数日かけていた自由記述の分類や要約を、AIなら数分から数時間で処理できます。
無料ツールでも基本的なテキストマイニング機能が使えます。頻出キーワードをワードクラウドで可視化したり、ポジティブ・ネガティブの感情分析をしたり、回答を自動分類したりといった作業が、コストゼロで実現可能です。
ただし無料版には制限があることも理解しておきましょう。分析できるデータ量や使える機能に上限が設けられている場合がほとんどです。本格的にビジネスで活用したいなら、まず無料で試して効果を確認してから有料版を検討するのが賢い選択といえます。

無料で使えるAIアンケート分析ツール7選
無料で使えるAI分析ツールにはどのようなものがあるのでしょうか。
ここでは、7つの無料で使えるAI分析ツールの特徴や操作性などを説明します。
①ChatGPT(無料プラン)
対話型AIのChatGPTは、アンケート分析の入門に最適です。自由記述をコピペして「要約して」「ポジティブとネガティブに分けて」と頼むだけで、すぐに分析結果が得られます。ブラウザからアクセスするだけで使い始められるのも魅力です。
少量データで手軽にAI分析を体験したい場合や、簡単な要約・分類作業に向いています。ただ無料版では一度に処理できる文字数に制限があるため、大規模調査には向きません。
②ユーザーローカル AIテキストマイニング
テキストを貼り付けるだけで、ワードクラウドや共起ネットワーク、感情分析の結果が視覚的に表示されます。専門知識がなくても、見栄えの良いレポートがすぐ作れるのが強みです。
無料版はブラウザから使え、フォーム入力やファイルアップロードでデータを分析できます。2つの文章を比較したり、音声データを入力したりする機能も備えており、無料とは思えない充実ぶりです。
③KH Coder
オープンソースの本格テキストマイニングソフトで、研究機関でも使われる信頼性の高いツールです。計量テキスト分析や多変量解析など、有料ツール並みの高度な機能が無料で使えます。
プログラミング不要でマウス操作だけで分析でき、アンケートやインタビュー記録、新聞記事などさまざまなテキストに対応しています。学術的に深く分析したい場合の強力な選択肢になります。
⓸Googleフォーム+スプレッドシート
アンケート作成から基本分析まで一貫して無料で行える組み合わせです。フォームで回答を集めると自動でスプレッドシートに集約され、「エクスプローラ」機能でAIが傾向分析やグラフ提案をしてくれます。
QUERY関数やPIVOT関数でクロス集計も簡単にでき、Google Apps Scriptを使えばさらに高度な自動分析も可能です。データ収集から簡易分析まで無料で完結させたい場合にぴったりです。
⑤統計解析ソフトR
統計解析に使うオープンソースのプログラミング言語で、膨大なデータの本格的なテキストマイニングができます。ただし利用にはプログラミングスキルが必須です。
スクリプトにプログラムを書いて実行する形式で、サポート環境がないため不明点は自分で調べる必要があります。統計学の知識がある方なら、マニュアルを見ながら高度な分析を実施できるでしょう。
⑥KNIME
ワークフロー型のデータ分析プラットフォームで、データ量に制限がなく全機能が無料です。世界50カ国以上の企業で使われ、4,000以上の分析機能を提供しています。
サンプルワークフローがあるのでコード不要ですぐ分析を始められ、エンジニアによる日本語サポートも充実しています。初心者から上級者まで幅広く対応できる優れたツールです。
⑦よくきくよ
カスタマーボイス活用に特化したテキスト分析AIです。独自の自然言語処理技術で、Webアンケート・テキスト分析・VOC管理の3機能を提供します。
フリープランは6ヶ月間、月300件まで使え、プログラミング不要でネットワーク分析やトレンド分析をすぐ始められます。カスタマーボイスを手軽に分析したい入門ツールとして適しています。
以下の表は、無料使えるAIアンケートツールを比較したものです。
| ツール名 | 主な特徴 | 得意分野・用途 | 操作難易度 | 無料利用範囲・制限 | 向いているユーザー |
|---|---|---|---|---|---|
| ChatGPT(無料プラン) | 対話型AI。自由記述をコピペして「要約」「分類」などを依頼可能。 | 要約・ポジネガ分類などの軽い分析 | ★☆☆(非常に簡単) | 無料。文字数制限あり。大規模分析は不可。 | 手軽にAI分析を体験したい初心者 |
| ユーザーローカル AIテキストマイニング | ワードクラウド・共起ネットワークなどを自動生成。視覚的に結果を表示。 | 感情分析・語彙傾向の可視化 | ★☆☆(簡単 | 無料でブラウザ利用可。機能制限あり。 | 見栄えの良いレポートを素早く作りたい人 |
| KH Coder | オープンソースの本格分析ソフト。多変量解析・統計的分析が可能。 | 学術研究・深い内容分析 | ★★★(中〜上級) | 無料・制限なし。インストール型。 | 研究者・分析を本格的に行いたい人 |
| Googleフォーム+スプレッドシート | アンケート作成から集計・グラフ化まで一貫。AIによる傾向分析機能あり。 | データ収集+簡易集計 | ★★☆(やや簡単) | 無料・Googleアカウントが必要。 | 無料で調査~分析を完結させたい人 |
| 統計解析ソフト R | プログラミングで高度な統計・テキストマイニングが可能。 | 本格的な数値分析・統計解析 | ★★★(上級者向け) | 完全無料(オープンソース) | 統計知識とスキルを持つ分析者 |
| KNIME | ワークフロー型。コード不要。4,000以上の分析機能を無料提供。 | 大規模データ分析・自動処理 | ★★☆(初心者~上級者) | 全機能無料。データ量制限なし。 | コードを書かずに本格分析したい人 |
| よくきくよ | カスタマーボイス分析に特化。Webアンケート連携・トレンド分析も可。ケート連携・トレンド分析も可。 | VOC分析・顧客の声活用 | ★☆☆(簡単) | フリープラン:6ヶ月間/月300件まで | 顧客の声を手軽にAI分析したい人 |
AIアンケート分析の具体的な活用方法
AIアンケート分析をどのように活用したらいいかわからないという方もいるでしょう。
ここでは、AIアンケート分析の具体的な活用方法と得られる効果について4つ説明します。
①自由記述回答の自動分類(アフターコーディング)
人の手で数日かかる自由記述の分類作業を、AIなら数分で終わらせられます。たとえば「サービスの不満点」という質問への回答を、「対応速度」「料金」「使いやすさ」といったカテゴリに自動で振り分けられます。
うまく活用するコツは段階を踏むことです。まずAIにカテゴリ案を出させ、それをもとに各回答を分類させます。分類の確信度が低いものだけ目視確認すれば、少ない手間で高精度な結果が得られます。
②顧客満足度調査の感情分析
アンケート回答の感情を自動判定し、ポジティブ・ネガティブ・中立に分けられます。製品レビューを分析すれば「ポジティブ評価が全体の75%」といった数値把握や、「新機能追加後にネガティブ意見が増加」といった時系列変化をすぐ捉えられます。
年代別・性別・利用期間別などのセグメント分析も簡単にできるので、属性ごとの感情傾向の違いから詳細な顧客理解につながります。
③eNPS調査の分析と改善提案
従業員満足度を測るeNPS調査の自由記述をAI分析すれば、組織課題を客観的に把握できます。30件程度の回答でも、「職場の人間関係は良好」「給与への不満が多い」「業務負荷が高い」といった主要テーマをAIが自動抽出します。
さらにネガティブ感情が強い回答を特定し、短期・中期での具体的な改善策まで提案させることも可能です。人事施策の立案に直結する有益な情報が得られます。
④SNS・口コミのトレンド分析
SNS投稿や口コミサイトのレビューをAI分析することで、顧客の生の声からトレンドや製品評価を把握できます。自社ブランド名と一緒によく出てくる単語を抽出すれば、顧客が重視するポイントが見えてきます。
リアルタイムでの感情変化も追跡でき、炎上リスクの早期発見や素早い対応に役立ちます。競合製品との比較分析で、自社の強みや改善点を明確にすることもできます。

AIアンケート分析を成功させる実践テクニック
AIアンケート分析を成功させるには、テクニックも必要になります。
ここでは、AIアンケート分析を成功させるため必要なテクニックを4つ説明します。
①効果的なプロンプトの書き方
生成AIで質の高い分析結果を得るには、プロンプト(指示文)の工夫が大切です。「アンケートを分析して」という曖昧な指示ではなく、「顧客の声から改善点を3つ挙げて、それぞれについて何人が言及しているか数えてください」のように具体的に伝えます。
分析の目的や背景も共有すると回答の質が上がります。「新商品開発の参考にしたい」と目的を示し、「あなたはマーケティングの専門家です」と立場を指定すれば、専門的な視点での分析が期待できます。
②段階的な分析アプローチ
複雑な分析を一気に指示せず、段階的に進めるのが成功のコツです。まず全体傾向を掴んでから、詳細分析へ移ります。一つのプロンプトで「カテゴリ作成・分類・感情分析」を同時に頼むと精度が落ちるので、各工程を分けて実行します。
具体的には、①カテゴリ案の提示、②カテゴリに沿った分類、③分類確信度の確認、④確信度が低いものの修正、という流れを踏めば、効率よく高精度な結果が得られます。
③データの前処理と品質管理
AI分析の精度を上げるには、入力データの品質管理が重要です。表記ゆれ(「サポート」「support」)を統一し、明らかな誤入力や無効回答を除きます。
個人情報や機密情報を含むデータを使う際は、必ず事前にマスキング処理をします。Microsoft Azure OpenAI ServiceやGoogle Cloud Vertex AIなど、データを学習に使わないAIサービスの利用も検討しましょう。
④分析結果の検証と活用
AIの分析結果は便利ですが完璧ではありません。皮肉やユーモア、業界特有の言い回しなどは誤解される可能性があります。重要な判断に使う分析では必ず人がチェックし、AIの判断根拠を確認します。
分析結果を実務で活かす際は、具体的なアクションまで落とし込むことが大切です。「顧客の不満が多い」で終わらせず、「どの機能をいつまでに改善するか」まで明確にすることで、分析の価値が最大化されます。

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無料ツールと有料ツールの違いと選び方
無料ツールにはやはり機能的に限界があります。
ここでは、無料ツールと有料ツールの違いと選び方のポイントを説明します。
①無料ツールの機能制限
無料のAIアンケート分析ツールには、一般的に以下の制限があります。分析できるデータ量の上限(たとえば月300件まで)、保存期間の制限、高度な分析機能が使えない、API連携やエクスポート機能の制限などです。
サポート体制も限定的で、メール問い合わせのみ対応だったり、コミュニティフォーラムで自力解決が求められたりします。本格的なビジネス活用では、こうした制限がネックになる場合があります。
②有料ツールのメリット
有料ツールは、大量データの高速処理、辞書カスタマイズによる精度向上、他システムとの連携、自動レポート生成、専門サポートなど、ビジネス活用に必要な機能が揃っています。
セキュリティ面でも優れており、データの暗号化、アクセス制御、監査ログなどで企業の情報管理要件を満たせます。継続的なアップデートで最新のAI技術を使える点も大きなメリットです。
③自社に合ったツールの選び方
ツール選びでは、まず分析の目的と規模を明確にします。試しに少量データを分析したいなら無料ツールで十分ですが、定期的な大規模調査や部門横断での活用を考えるなら有料ツールが適しています。
分析したいデータの種類(SNS、アンケート、コールセンター記録など)に対応しているか、必要な分析手法(感情分析、トレンド分析、共起分析など)が使えるかを確認します。操作性やレポート機能も大事で、担当者が使いこなせるツールを選ぶことが成功の鍵です。
AIアンケート分析の導入ステップ
AIアンケート分析を導入するには何段階かのステップを踏む必要があります。
ここでは、そのステップについて説明します。
STEP1:目的の明確化と体制構築
まず、アンケート分析で何を達成したいのか明確にします。顧客満足度向上、製品改善、マーケティング施策立案など、具体的な目標を設定します。
次に分析を担当するメンバーを決め、役割分担します。データ収集担当、分析実行担当、結果活用担当などを明確にし、定期的な振り返りミーティングの日程も設定します。
STEP2:無料ツールでの試行
いきなり有料ツールを入れず、まず無料ツールで小規模に試します。過去のアンケートデータ100〜300件程度を使い、ChatGPTやユーザーローカルなど複数の無料ツールで分析してみます。
各ツールの使い勝手、分析精度、レポートの見やすさなどを比較評価し、自社に合ったツールの方向性を見極めます。この段階で、AIアンケート分析の効果や限界を実感として理解することが重要です。
STEP3:本格導入の検討
無料ツールでの試行結果を踏まえ、本格導入を検討します。分析の規模や頻度、必要な機能、予算などを総合的に判断し、無料ツールの継続か有料ツールへの移行かを決めます。
有料ツールを入れる場合は、複数の製品を比較検討し、トライアル期間で自社データを実際に試します。導入後の運用体制、定期的な効果測定の方法も併せて計画します。

AIアンケート分析活用の注意点とリスク対策
ここでは、AIアンケート分析を活用する際の注意点やリスクについて説明します。
①情報セキュリティとプライバシー保護
AIツールにアンケートデータをアップロードする際、個人情報や機密情報の漏洩リスクに注意が必要です。特に無料ツールでは、入力データがAIの学習に使われる可能性があります。
対策として、個人情報は事前にマスキングし、企業秘密を含むデータは入力しないようにします。有料ツールではオプトアウト設定を有効にし、データが学習に使われないよう設定します。社内でAI利用ガイドラインを作り、全社的にリスク管理を徹底することが大切です。
②AI分析の限界と人間による検証
AIは強力なツールですが万能ではありません。専門性が高い内容や文脈に依存する表現、皮肉やユーモアなどは誤解される可能性があります。またAIモデルの学習データに偏りがあると、特定の意見を過大評価したり見落としたりすることもあります。
そのため重要な意思決定に関わる分析では必ず人がチェックし、AIの判断根拠を確認します。複数の分析手法を併用し、結果の妥当性を多角的に検証することで、分析の信頼性を高められます。
③継続的な改善とスキルアップ
AI技術は急速に進化しているため、継続的な学習と改善が欠かせません。定期的に最新のツールや手法を調べ、プロンプトの書き方を磨きます。
社内での知見共有も重要で、成功事例や失敗事例を蓄積し、ベストプラクティスを組織内で展開します。外部セミナーやコミュニティに参加して最新トレンドをキャッチアップし続けることが、AI活用の成功につながります。
まとめ:AIアンケート分析で業務効率化を実現しよう
AIアンケート分析について解説してきました。今回の記事のポイントをおさらいしましょう。
・無料ツールでも基本的なテキストマイニングが可能で、ChatGPT、ユーザーローカル、KH Coderなどが初心者にも使いやすい
・効果的な分析には段階的なアプローチと具体的なプロンプトが重要で、一度に完璧を目指さず改善を重ねることが成功の鍵
・情報セキュリティに注意し、個人情報のマスキングやオプトアウト設定を徹底する必要がある
・本格的なビジネス活用では有料ツールの検討も必要で、まず無料ツールで効果を確認してから移行を判断する
アンケート分析の効率化は、単なる作業時間の削減だけでなく、データに基づいた的確な意思決定を可能にします。まずは無料ツールから始めて、AIアンケート分析の可能性を体験してみてください。
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AIを使ったアンケート作成・分析の手法を解説。無料ツールやプロンプト例も紹介し、設問作成が数分、自由記述分析も数十分で完了する効率化ノウハウをまとめています。
