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AIが描く”日本の原風景”――日本人AI映画監督・谷田裕紀氏の『flower』が国際AI映画祭で2冠を受賞

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日本人AI映画監督・谷田裕紀氏が手がけた短編映画『flower ― すべてはここに在る』が、2025年9月にインドネシア・バリ島で開催されたバリ国際AI映画祭(Bali International AI Film Festival)において、審査員賞と観客賞の2冠を受賞した。

日本の原風景と精神性をテーマに、AI技術を駆使して制作された本作は、国際的な舞台で高い評価を獲得し、さらにハリウッドの「Neu Wave AI Film Festival」へのセミファイナリスト選出も果たしている。

『flower ― すべてはここに在る』とは

本作は、命の循環や日本の自然信仰といった普遍的なテーマを、AI映像技術によって表現した作品だ。谷田氏がオーストラリアで暮らしていた際、観光地ではない何気ない日本の田園や神社、夏の夕暮れといった原風景が心に強く浮かんだことが制作のきっかけとなった。

AI技術の進化により、従来は実現が困難だった繊細で写実的な映像表現が可能になり、『flower』はその技術を活用することで、日本人の記憶に刻まれた風景をリアルに再現。世界の観客に向けて、日本独自の美意識と精神性を発信している。

AI映画監督・谷田裕紀氏のプロフィール

谷田裕紀氏は、DOT SCENE合同会社の代表を務めるAI映画監督。1991年生まれで、メディア業界で9年間にわたりコンテンツ編集・構成・映像企画に携わってきた経歴を持つ。

谷田氏は「AIと人間の共創による映像表現」を掲げ、AI技術を単なるツールとしてではなく、創造的なパートナーとして位置づけている。人とAIの共創から生まれる新たな映像表現を探求しながら、存在や意識の本質を問う哲学的テーマを、詩的な映像世界として描き出すことを目指している。

広がるAI映画の潮流と『flower』の位置づけ

近年、AI技術を活用した映画制作は世界的な広がりを見せている。2025年にはフランス・ニースで「World A.I. Film Festival」が開催され、53カ国から1,500本以上のAI映画が集結。また、日本でも11月に「AI日本国際映画祭2025」が東京で開催されるなど、AI映画という新しいジャンルの確立に向けた動きが加速している。

このような潮流の中で、『flower』は単なる技術的実験にとどまらず、人間の感性とAIの技術力が融合した作品として注目を集めている。審査員賞と観客賞の2冠という成果は、技術的な完成度だけでなく、作品が持つ物語性や感動が広く評価された証といえるだろう。

HackAI編集部の視点

AI映画の制作において重要なのは、AIを「代替手段」ではなく「新たな表現の可能性」として捉える姿勢だ。『flower』は、AI技術によって初めて実現可能になった映像美を通じて、日本の精神性という普遍的なテーマを世界に伝えることに成功している。

これは、AIが人間のクリエイティビティを奪うのではなく、むしろ拡張するものであることを示す好例だ。谷田氏が目指す「AIと人間の共創」というビジョンは、今後のクリエイティブ産業における一つの指針となるだろう。

作品情報と今後の展開

『flower ― すべてはここに在る』は、バリ国際AI映画祭での上映を皮切りに、2025年冬頃の一般公開を予定している。公開形式はオンライン配信を中心に、世界中から視聴できる形を目指しているという。

また、本作はハリウッドの「Neu Wave AI Film Festival」セミファイナリストにも選出されたほか、フランス・カンヌの「Cannes World Film Festival」公式セレクション、米国の複数のAI映画祭にも選出されており、国際的な評価をさらに高めている。

谷田氏の過去作品は、公式YouTubeチャンネル「HIRONORI TANIDA」で公開されている。


編集部コメント

AIが表現者となる時代が、確実に到来している。『flower』が示したのは、技術と人間の感性が融合することで生まれる、新しい映像表現の可能性だ。

日本の原風景をAIで描くという試みは、グローバルな舞台で日本文化を発信する新たな手法としても注目される。今後、AI映画がどのように進化し、映像表現の地平を広げていくのか。HackAI編集部は、その動向を引き続き追っていく。

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