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Google Antigravityとは?使い方・日本語化・Cursorとの違いまで徹底解説

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AIツール

2025年11月、Googleが公開したAIエディタ「Antigravity」(アンチグラビティ)が開発者コミュニティに大きな話題を呼んでいます。「コードを書かずにアプリが完成する」という衝撃的な体験は、従来のコーディングツールとは一線を画すものです。

しかし「そもそもAntigravityとは何なのか」「本当に無料で使えるのか」「どうやって導入すればいいのか」といった疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。本記事では、Antigravityの基本概念から具体的な導入手順、実践的な使い方まで、AI開発環境の最前線を徹底解説します。

Google Antigravityとは何か?次世代AIエディタの全貌

Antigravity(アンチグラビティ)は、2025年11月18日にGoogleが最新AIモデル「Gemini 3」と同時に発表した、革新的な統合開発環境(IDE)です。単なるコード補完ツールではなく、AIエージェントが自律的に開発を進める「エージェントファースト」な設計が最大の特徴です。

従来のAIツールとの根本的な違い

これまでのAIコーディングツール、例えばGitHub CopilotやCursorは、開発者の入力を補助する「副操縦士(Copilot)」として機能していました。開発者がコードを書き始めると続きを提案してくれる、チャットで指示するとコード片を生成してくれる、というスタイルです。

対してAntigravityは、AIエージェントが開発の主導権を握ります。開発者は「認証機能を追加して」「UIをモダンにして」といった高レベルの要求を伝えるだけで、AIが計画立案からコーディング、テスト、デバッグまでを自律的に実行します。

この違いを端的に表すなら、CursorやGitHub Copilotは「書く作業を速くするツール」であり、Antigravityは「開発タスクそのものをAIに任せられるプラットフォーム」です。開発者の役割は「コードを書く人」から「AIエージェントを監督する人」へと変化します。

VS Codeベースだが全く新しい体験

AntigravityはVS Codeをベースに開発されているため、既存のVS Codeユーザーは設定や拡張機能をそのまま引き継げます。しかし、見た目は似ていても中身は全く別物です。

最大の特徴は「Agent Managerビュー」という新しい画面の存在です。従来のエディタ画面に加えて、複数のAIエージェントを統括管理する専用画面が用意されています。ここから複数のエージェントに異なるタスクを同時に割り振り、それぞれの進捗状況をリアルタイムで確認できます。

開発者はもはや「コードを書く人」ではなく、複数のAIエージェントを指揮する「プロジェクトマネージャー」のような立場になるのです。

Googleが掲げる4つの設計原則

Antigravityの設計には、Googleが掲げる4つの原則が貫かれています。

**Trust(信頼)**では、AIの作業内容を「Artifacts」という形で可視化します。実装計画書やタスクリスト、作業スクリーンショットなどをレポート形式で確認できるため、AIがブラックボックスにならず安心して任せられます。

**Autonomy(自律性)**では、エディタ・ターミナル・ブラウザを横断して複雑なタスクを自律実行します。人間のように「調べて、作業して、確認する」という一連の動作をAIだけで完結できます。

**Feedback(フィードバック)**では、作業フローを止めずに指示を反映できる非同期コミュニケーションを実現します。エージェントが作業中でも、生成された成果物にコメントを残すだけで軌道修正してくれます。

**Self-Improvement(自己改善)**では、有用なコンテキストやコードスニペットをナレッジベースに保存し、将来のタスクに活用します。使えば使うほど賢くなる学習機能が組み込まれています。

Antigravityで何ができるのか?革新的な5つの機能

Antigravityが従来ツールと決定的に異なるのは、開発プロセス全体を自動化する5つの革新的機能です。

複数エージェントの並列実行

従来のAIツールは1対1の対話形式でした。AIが作業している間、開発者は待つしかありませんでした。しかしAntigravityでは、複数のAIエージェントに異なるタスクを同時に割り振れます。

例えば、エージェントAには「バグ修正」を、エージェントBには「新機能の実装」を、エージェントCには「競合サービスのリサーチ」を同時進行させることが可能です。各エージェントはWorkspace(プロジェクト単位の作業領域)ごとに独立して動作します。

複数のタスクが並行して進むため、「AIの返答を待つ時間」がゼロになり、開発スピードが劇的に向上します。開発者は各エージェントの成果物をレビューしながら、次の指示を出す「オーケストレーター」として機能します。

ブラウザを自動操作する動作検証

Web開発において最も革新的なのが、Chrome拡張機能として提供される「Antigravity Browser」です。この機能により、AIエージェントは実際にブラウザを操作してアプリの動作確認を行えます。

従来の開発フローでは、コードを書いたらブラウザを開いて手動で動作確認し、エラーがあればコードに戻って修正する、という反復作業が必要でした。Antigravityではエージェントがブラウザを自動起動し、画面をキャプチャしながら動作をテストし、エラーを検知すると自ら原因を調査して修正案を実行します。

この「コード生成→実行→検証→修正」のサイクルを人間の介入なしで回せることが、Antigravityを単なるコード生成ツールから「自律型開発エージェント」へと進化させています。UIの見た目を確認しながら「もっと余白を広げて」「色を変えて」といった視覚的なフィードバックを与えるだけで、AIが適切に修正してくれます。

Artifactsによる透明性の確保

「AIに任せて大丈夫なのか」という不安に応えるのが、Artifacts(成果物)システムです。エージェントは作業の過程で以下のような成果物を自動生成します。

**Implementation Plan(実装計画書)**は、タスクの全体像や実装方針をまとめたドキュメントです。どのファイルを作成し、どの技術を使い、どう実装するかが明確に記載されます。

Task進捗管理は、具体的な作業項目とその進捗状況をリアルタイムで管理します。「環境構築:完了」「コーディング:進行中」「テスト:待機中」といった状態が可視化されます。

**Walkthrough(作業報告書)**は、テスト実行時のスクリーンショット、操作の録音データ、実装の詳細説明を含む総合レポートです。開発者はこのレポートを確認し、スクリーンショットの特定箇所を範囲指定してコメントすることで、正確なフィードバックを与えられます。

これらの成果物により、AIの思考プロセスが完全に透明化され、安心して開発を任せられる環境が整っています。

マルチモデル対応の柔軟性

Antigravityは、Google純正ツールでありながら、搭載AIモデルは柔軟に選択できます。デフォルトではGemini 3 Pro、Gemini 3 Deep Think(高精度版)、Gemini 3 Flash(高速版)が利用可能ですが、Anthropic Claude Sonnet 4.5やOpenAI GPT-OSS(オープンソース版GPT)にも対応しています。

Gemini 3は処理に時間がかかる分、精度とクオリティの高い結果を得られます。一方、Claude Sonnet 4.5に切り替えると、Cursorと変わらない速度でレスポンスが返ってきます。簡単な処理はClaude Sonnet 4.5で高速実行し、大規模な変更や新規生成はGemini 3を使うなど、用途によって切り替えることで使い勝手が大幅に向上します。

画像生成機能の統合

Antigravityには、Googleの画像生成AI「Imagen 3」が統合されています。「サイトのアイコンを作成してHTMLで定義して」と指示すると、AIが即座にアイコンを生成し、コードに組み込んでくれます。

デザインモックアップの作成から実装までをワンストップで処理できる点は、他のAIエディタにはない独自の強みです。Dribbbleなどで見つけたデザイン画像をドラッグ&ドロップし、「このデザインガイドラインに従ってUIを構築して」と指示することも可能です。

料金と利用条件:本当に無料で使えるのか?

多くの方が気になるのは「無料で使えるのか」という点でしょう。2025年12月時点のAntigravityの料金体系と利用条件を整理します。

パブリックプレビュー期間中は完全無料

現在、Antigravityはパブリックプレビュー版として提供されており、すべての機能が無料で利用できます。Googleアカウントさえあれば、特別な審査や法人契約なしに誰でもダウンロードして使い始められます。

無料で利用できる内容は非常に充実しています。Gemini 3 ProやClaude Sonnet 4.5など高性能AIへのアクセス、Tab補完やコマンドリクエストも無制限です。複数エージェントの並列実行、ブラウザ自動操作、画像生成機能もすべて含まれます。

レートリミット(利用制限)も設けられていますが、よほどのヘビーユーザーでなければ上限に達することはありません。一般的な開発用途であれば、制限を意識せず快適に利用できます。

将来的な料金プランの見通し

ただし、「いつまでも無料」というわけにはいかないでしょう。Antigravityの設定画面には、すでにTeam planやEnterprise planの準備が確認されています。一般提供(GA)開始時には有料プランが導入される可能性が高いと考えられます。

最近のGoogleはAI関連サービスで適切な課金モデルを展開しており、Gemini 3の従量課金の価格帯を考えると、Antigravityも無料で普通に使い続けられるレベルにはならない可能性があります。

他のAIエディタとの比較では、Cursorが月額2040ドル、Windsurfが無料月額20ドルという価格帯です。Antigravityも同様の価格帯になると予想されますが、現時点では憶測の域を出ません。

対応OSと動作環境

AntigravityはWindows、macOS、Linuxの主要デスクトップOSに対応しています。最近のバージョンであれば問題なく動作しますが、macOSの場合はAppleシリコン(M1/M2/M3チップ)搭載モデルに最適化されたバージョンを選ぶと、より高速に動作します。

AI処理の一部はクラウドで行われますが、エディタ自体の動作にはPCのスペックも影響します。快適に開発するための推奨環境は、メモリ8GB以上(16GB推奨)、ストレージ10GB以上の空き容量、安定したインターネット接続です。

個人開発者でも問題なく利用できます。学生やフリーランスエンジニアも、最新のAI開発環境を自分のPCで試せる絶好の機会です。

ゼロから始める導入手順:インストールから日本語化まで

Antigravityの導入は驚くほど簡単です。VS Codeユーザーなら設定を引き継げるため、数分で環境構築が完了します。

ステップ1:ダウンロードとインストール

公式サイト(antigravity.google)にアクセスし、ページ右上の「Download」ボタンをクリックします。使用しているOS(Windows/macOS/Linux)に対応したインストーラーを選択してダウンロードしてください。

ダウンロードしたファイルを実行すると、インストールウィザードが起動します。画面の指示に従って進めるだけで、数分でインストールが完了します。

ステップ2:初期設定の3つの画面

インストール後の初回起動時には、重要な設定を行う3つの画面が表示されます。

**Import Settings(設定の引き継ぎ)**では、以前の設定を引き継ぐかどうかを選択します。VS Codeからの引き継ぎは後からでも可能なため、まずは「Start fresh(新規で開始)」を選択して進みましょう。

**Theme(配色の選択)**では、画面の配色テーマを選びます。「Light(明るい)」「Dark(暗い)」など、お好みのものを選択してください。後から変更することも可能です。

**Agent Mode(AIの自律レベル設定)**が最も重要な設定です。ここでAIエージェントにどこまで権限を与えるかを決定します。

ステップ3:Agent Modeの選択

Agent Modeには3つの選択肢があります。

**Agent-assisted development(推奨)**は人間主導のバランス型です。人間が作業の中心となり、AIは必要に応じてサポートに入ります。確認の手間と自動化のバランスが良く、最も扱いやすい標準モードです。初めて使う方はこのモードを選びましょう。

Agent-drivenはエージェント主導で、AIが主導権を持ち、人間の許可を待たずに次々とタスクを処理します。開発スピードは最速ですが、AIが独自の判断で進めてしまうため、挙動を理解している上級者向けです。

Review-drivenはレビュー主導で、AIのアクション一つひとつに対して必ず人間の承認を求めます。勝手にファイルを書き換えられる心配はありませんが、頻繁に確認画面が出るため作業スピードは落ちます。

ステップ4:詳細ポリシー設定

モードを選択すると、右側に詳細な権限設定が表示されます。重要な項目を確認しておきましょう。

Terminal execution policyは、ターミナルコマンドの自動実行権限です。「常に実行」「毎回確認」「実行しない」から選択できます。

Review policyは、AIの計画に対する人間のレビュー頻度です。「重要な操作のみ確認」「すべて確認」などを設定できます。

JavaScript execution policyは、ブラウザ操作時のプログラム実行許可です。Web開発を行う場合は必要になります。

「Use the default allowlist」にチェックを入れると、AIがアクセスできるWebサイトを安全なリストのみに制限できます。セキュリティを重視する場合は有効にしましょう。

ステップ5:拡張機能のインストール

最後に、主要なプログラミング言語(Python、JavaScriptなど)の拡張機能を一括インストールする画面が表示されます。「Install 7 Extensions」をそのままクリックしてください。これらの拡張機能は一部のエージェント機能に必須のため、インストールを強く推奨します。

ステップ6:Googleアカウントでサインイン

すべての設定が完了すると、「Sign in with Google」画面が表示されます。お使いのGoogleアカウントでサインインすれば、セットアップは完了です。

初回サインイン時には利用規約が表示され、「Antigravityには特定のセキュリティ上の制限がある」という警告も表示されます。機密性の高いデータの処理は避け、エージェントが実行するすべてのアクションを検証することを推奨する内容です。内容を確認して同意すれば、Antigravityが使用可能になります。

日本語環境の構築方法

初期設定では英語表示のため、日本語化の手順を解説します。

日本語言語パックのインストール

左側のブロック崩しのようなアイコン(Extensions/拡張機能)をクリックします。検索バーに「Japanese Language」と入力し、「Japanese Language Pack for Visual Studio Code」を見つけたら「Install」ボタンをクリックします。

インストールボタンを押すと、「Do you trust MS-CEINTL?」という警告ポップアップが表示されることがあります。これは「拡張機能の発行元であるMS-CEINTLを信頼しますか?」というセキュリティ確認です。

MS-CEINTLはMicrosoftの公式チーム(Microsoft Cloud Engineering International)のアカウントであり安全です。「Trust Publisher & Install(発行元を信頼してインストール)」をクリックして進めてください。

インストール後、左下に表示される「Restart(再起動)」を押せば、メニューが日本語に切り替わります。

VS Codeから設定を引き継ぐ方法

初期設定で「Start fresh」を選んだ場合でも、後からVS Codeの設定や拡張機能を移行できます。キーボードのF1キー(またはCtrl+Shift+P)を押してコマンドパレットを開きます。

「Import Settings」と入力して実行します。インポート元のプロファイル(通常はDefault)を選択すれば、VS Codeの拡張機能やテーマがAntigravityに移行されます。

インポートが完了すると、Antigravityの画面がリロードされます。背景色やテーマが切り替われば成功です。左側の拡張機能アイコンをクリックして、いつものプラグインが入っているか確認しておきましょう。

背景色や配色を変更したい場合

背景色を変更したい場合は、ショートカットキーCtrl+K+T(MacはCmd+K→Cmd+T)を押します。テーマ一覧が表示されるので、「Dark High Contrast」などお好みの配色を選択してください。

これで日本語環境の構築は完了です。次は実際にAntigravityを使ってアプリを作成してみましょう。

実践:日本語指示だけでWebアプリを作ってみる

理論だけでは実感が湧かないため、実際にAntigravityを使ってアプリを作成してみます。驚くべきことに、コードを一行も書かずに動くアプリが完成します。

プロジェクトの開始:3ステップで指示完了

起動後の画面中央にある「Open Folder」をクリックし、作業用の空フォルダを選択します。これがプロジェクトの作業領域になります。

次に、画面右側の入力欄に作りたいアプリの要件を日本語で入力します。今回は「AIニュース収集ダッシュボード」を作ってみましょう。

プロンプト例:

PythonとStreamlitを使って、最新のAIニュース収集ダッシュボードを作成してください。

【要件】
1. データソース:feedparserライブラリを使ってGoogle NewsのRSSからデータを取得
2. 検索機能:サイドバーに検索ボックスを設置し、デフォルト値を「Artificial Intelligence」に設定
3. 表示デザイン:ニュースはカード型デザインで見やすく並べる
4. 各カードには「記事タイトル」「発行日」「要約」「元記事へのリンクボタン」を表示
5. 環境構築:必要なライブラリのインストールコマンドも実行する

指示を送信すると、AIエージェントが数秒で「Tasks(タスクリスト)」と「Implementation Plan(実装計画書)」を提示してきます。

タスクリストには「環境構築」「ファイル作成」「コーディング」「動作確認」といった具体的な作業項目が並びます。実装計画書には、使用する技術スタック、ファイル構成、実装方針が詳細に記載されます。

計画内容に不足があれば、承認前に「○○機能も追加して」「ここを変更して」と伝えれば、AIが即座に計画を書き直してくれます。問題なければ「Accept(承認)」ボタンを押しましょう。

AIが勝手にブラウザを開いて動作検証する

承認ボタンを押すと、AIエージェントが自律的に作業を開始します。画面を見ていると、以下のような流れで処理が進みます。

まず環境構築として、必要なライブラリ(StreamlitやFeedparser)を自動でインストールします。ターミナルにpip installコマンドが次々と実行される様子が表示されます。

次にコーディングとして、app.pyファイルを自動生成し、数百行のPythonコードを記述します。開発者は何もしていないのに、エディタ画面にコードがどんどん書き込まれていきます。

最後に起動と確認として、アプリを起動し、内蔵ブラウザで表示確認を行います。ここが最も衝撃的な瞬間です。AIが自動的にブラウザを立ち上げ、実際にアプリを操作しながら動作テストを実行します。

開発者は基本的に見守るだけです。数分後、画面右側のブラウザに指示通りの「AIニュース収集ダッシュボード」が完成して表示されます。サイドバーの検索ボックス、カード型のニュース表示、各記事へのリンクボタン、すべてが要件通りに実装されています。

一言でデザインも機能も修正完了

さらに驚くべきは、完成後の修正の手軽さです。作成したアプリに対して、追加で以下のような指示を出してみます。

追加のプロンプト:

現在のコードに対して、以下のUI/UX改善を実装してください。

1. 言語設定:UIテキストをすべて日本語に変更
2. リンク化:ニュースカード全体をクリック可能に
3. ホバー効果:カーソルを合わせたら色が変化するように
4. デザイン:全体をクリスマスカラーに変更。かわいらしく、一目でクリスマスとわかるデザインに

指示を送信して承認すると、AIが即座にCSSとコードを修正します。再読み込みされたブラウザには、赤と緑を基調としたクリスマスカラーのダッシュボードが表示されました。サンタの帽子アイコン、雪の結晶モチーフ、温かみのある配色、すべてが「クリスマス」というキーワードから自動生成されています。

コードを一切見ることなく、「もっとクリスマスっぽく!」という曖昧な指示だけでアプリが変化するのです。これがまさに「Vibe Coding(バイブコーディング)」です。正確なコードを書くことよりも、作りたいものの雰囲気(Vibe)をAIに伝えて形にする開発手法です。

日本語と英語で生成品質は変わるのか?

「AIに指示するなら英語の方が精度が良いのでは?」と考える方も多いでしょう。そこで検証として、全く同じ要件を日本語と英語で指示し、成果物を比較してみました。

結果として、細かいデザインの解釈(背景色が黒か白か、アイコンのサイズや位置)には違いが見られましたが、全体構成やリンク化・ホバー効果といった機能面は完全に一致していました。

日本語だからといって品質が落ちることはなく、AIがしっかりと意図を汲み取っていることが証明されました。Antigravityに搭載されているGemini 3やClaude Sonnet 4.5は、日本語の指示でも英語と同レベルで文脈を理解できます。

「英語でどう指示すればいいか」を悩む必要はありません。頭の中にあるイメージを、使い慣れた日本語でそのままぶつければ良いのです。言葉の壁がないからこそ、直感的な開発に没頭できる。これもAntigravityの大きな強みです。

CursorやWindsurfとの違い:どう使い分けるべきか

現在のAI開発環境市場は、Antigravity、Cursor、Windsurfの3強時代に突入しています。それぞれが異なる哲学と強みを持つため、適切な使い分けが重要です。

Cursor:圧倒的な編集速度を誇る実践型

Anysphere社が開発するCursorは、2025年末時点でシェアNo.1を誇るAIエディタです。最大の武器は「Tab補完」の精度とスピードです。開発者が次に書きたいコードをAIが先読みして提案するため、Tabキーを押すだけで高速なコーディングが可能になります。

複数ファイルを一括生成する「Composer」機能も強力で、面倒な記述作業を大幅に削減します。2025年12月には「Visual Editor」機能が追加され、画面上の要素をドラッグ&ドロップで編集するとAIが自動的にコードに反映してくれるようになりました。

Cursorは「自分でコードを書きたいが、スピードを上げたい」という開発者に最適です。AIはあくまでアシスタントであり、最終的なコントロール権は常に人間が持つスタイルです。

Windsurf:深い文脈理解で複雑なプロジェクトに対応

Codeium社のWindsurfは、プロジェクト全体の文脈を深く理解することに特化しています。最大の特徴は「Cascade」機能で、ターミナルを常時監視してエラーが発生した瞬間に内容を把握し、「修正しましょうか?」と自ら提案してきます。

数万行に及ぶコードベースでも、過去の変更履歴やファイル間の依存関係を理解した上で適切な修正案を出せます。大規模な企業システム開発で真価を発揮するツールです。

一方で、深い分析を行う分、Cursorのような爆速レスポンスとは異なる「重厚な」挙動を感じることがあります。スピードよりも整合性や品質を重視する開発スタイルに向いています。

Antigravity:タスク自体をAIに委託する

Antigravityは、上記2つとは根本的に異なるアプローチを取ります。Cursorが「書く作業の高速化」、Windsurfが「理解と提案の高度化」だとすれば、Antigravityは「タスク自体をAIに任せる」という発想です。

開発者は「認証機能を追加して」「UIをモダンにして」といった高レベルの要求を出すだけです。AIエージェントは自律的に計画を立て、ファイルを生成し、ターミナルでコマンドを実行し、ブラウザで動作確認を行います。

開発者はエージェントが生成した計画書や作業報告書をレビューし、問題があれば修正指示を出すという「監督者」の立場に回ります。

使い分けの正解:目的とフェーズで選ぶ

これら3つのツールに明確な優劣はなく、開発フェーズや目的に応じた使い分けが正解です。

既存アプリへの機能追加や、細かいロジック制御が必要な場面ではCursorやWindsurfが適しています。AIの提案を一行ずつチェックしながら、納得のいくコードを高速に書き上げられます。

ゼロからの新規開発や「明日までに動くプロトタイプが欲しい」という場面ではAntigravityが真価を発揮します。環境構築から検証までをAIに一任できるため、エンジニアは面倒なセットアップを飛ばして本質的な設計に集中できます。

非エンジニアの方がアイデアを形にしたい場合も、Antigravityが最適です。コードを書くスキルがなくても、頭の中にあるイメージを日本語で伝えるだけでアプリが完成します。

重要なのは「ツールを1つに絞らない」という発想です。プロジェクトの初期段階はAntigravityで素早くプロトタイプを作り、運用フェーズに入ったらCursorで細かい機能追加を高速に行う、といったハイブリッド運用が最も生産性を高めるでしょう。

安全に使いこなすための3つの必須設定

Antigravityは強力なツールですが、AIにPC操作権限を与えすぎると予期せぬ事故や情報漏洩を招く恐れがあります。安全な運用には3つの対策が必要です。

権限管理:AIの独走を防ぐ承認プロセス

AIによるファイル誤削除やシステム破壊を防ぐため、「AIに独断での実行をさせない」ことが鉄則です。設定画面の権限管理には「Request Review(承認モード)」「Auto(自動モード)」「Turbo(フルオート)」の3つがあります。

実務では「Turbo」の使用は慎重に行うべきです。人間が内容を確認して承認する運用を徹底しましょう。「AIが提案し、人間が決裁する」体制こそが、最強の安全装置となります。

情報遮断:.antigravityignoreで機密を守る

AIは人間のような判断ができず、放置すればパスワードや機密情報も無差別に読み込んでしまいます。そこで必須となるのが「.antigravityignore」ファイルです。

システムを動かすためのパスワードや鍵情報が書かれた「.env」ファイル、APIキー、データベース接続情報などは最も保護すべき対象です。これらをリストに登録してAIから見えなくすることで、予期せぬ情報流出を防げます。

プロジェクト開始時は真っ先にこの設定を行うのが鉄則です。

環境隔離:プロジェクトごとに専用の作業場を作る

AIの誤操作やセキュリティリスクを最小限にするため、「環境の隔離(サンドボックス化)」の徹底を推奨します。これはDockerなどの技術を使い、PC内に「プロジェクト専用の独立した作業場」を作るようなものです。

AIをこの空間に閉じ込めれば、プライベートな写真やシステム設定などの外部データには一切干渉できません。仮にトラブルが起きても、その「作業場」をリセットするだけでPC本体は無傷で済みます。

企業・個人を問わず、メイン環境とは切り離してAIを運用することが、最も安全な運用方法です。

まとめ:エンジニアの役割は「書く」から「監督する」へ

Google Antigravityの登場は、ソフトウェア開発のあり方を「自らコードを書く」から「AIを監督する」へと変える大きな転換点です。

面倒なコーディングやデバッグ作業はAIに任せ、人間は「どんなアプリを創るか」というアイデア出しや、「どう改善するか」という判断に集中する。これが、これからのエンジニアの新しい働き方になるかもしれません。

現在はパブリックプレビュー期間中で、すべての機能が無料で利用できます。「AIが勝手にブラウザを操作してアプリを作る」その衝撃を、ぜひご自身の手元で体験してみてください。未来の開発スタイルが、今日から始まります。

Googleが2025年11月に公開したAIエディタ「Antigravity」を徹底解説。基本概念から無料で使えるのか、導入手順、実践的な使い方までまとめ、コード不要でアプリ開発が進む最前線をわかりやすく紹介します。